「対話する社会へ」(暉峻淑子、岩波新書、2004年第5刷)には、こう書かれています。
「戦争・暴力の反対語は、平和ではなく対話です」
同書はまた、「個人の成長過程で、地域で、社会で、国家間で・・・あらする局面で、今いかに「対話」が喪われ、その結果何が起きているのか。
逆に「対話」があれば、どんなことが可能になるのか、そもそも人間にとって対話とは何なのか」と読者に問いかけています。
そして豊富な対話の事例を紹介したあと、結語に「対話する社会への努力が、民主主義の空洞化を防ぎ平和をつくりだす」と記しています。
かつて「出島」が欧州との玄関口の役割をはたしました(=「開かれた長崎1.0」)。「出島」対話が起点となり、その後の明治維新、産業革命を経て長崎は、工業都市として成功をおさめました。しかし、1945年の原爆攻撃で筆舌に尽しがたい惨状に突き落とされました。
あの被爆から80年の2025年。世界を見渡すと分断や対立の中で紛争が相次ぎ、対話による平和の追求は困難なように見えます。
でも、だからこそです。
戦争・暴力の反対語が平和ではなく対話であるならば、私たちは対話を始め、広げ、共感の輪を大きくして、紛争を戦争や暴力で解決できるとの誤解を解いていていく必要があります。
平和のための対話ビッグバン――それをうながしていくために長崎は、平和にむけた多種多様な対話の玄関口(対話の出島)を開いて、国内外の対話人とつながり、ネットワークづくりを進めていくことが大切です(=「開かれた長崎2.0」)。
たとえ険しい時があっても、そうした試みが拓く坂道を上っていくことで、間違いなく核廃絶にも近づいていけるはずです。
こんな思いがあってのことです。長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)は、被爆80年における取り組みのキーワードとして対話を選び、このウェブサイトも開設することにしました。
ここで植えられたリンゴの木が育ち、対話が次々と熟して平和や核廃絶に貢献できるよう、尽力していきたいと思います。
本サイトのイラストについて
本サイトのイラストはひとつひとつ、すべてが一筆書きです。
個々のイラストは、一本の線でつながる無数の対話、そこから生まれる物語へと私たちを誘ってくれる気がします。
点が線に、線が面にと、対話が広がってほしいとの願いを込めて、ここで活躍してくれるイラストを選びました。